第 4 話
「インセクト女王(クイーン)」
こちらのフィールドには伏せカードが1枚。
ライフももう残り少ない。
だが……まだ、手はある!
今まさに敗北しようとしている決闘者は、自分のフィールドに残っている1枚のカード、そして手札のカードで最後の反撃を行おうとしていた。
『ライフを半分払い……罠カード発動! 「異次元からの帰還」!』
今まであれやこれやの訳があり、除外されていた数体のモンスターのうち、5体を選んでフィールドに特殊召喚する。
そのモンスターの中には……
……オーッホッホッホッ! 私こそが全てのモンスターの中で最も華麗で美しい……なんて言ったら全国の決闘者の皆さんにフルボッコにされてしまうわっ。
何たって、私は昆虫族なんですもの。いくら『女王』なんて名がついていても、所詮ビジュアル的に虫なんですもの。
私は『インセクト女王(クイーン)』。昆虫族の女王。
フィールドに昆虫族が居れば、その分力が上がるのよ!
今現在、こちらのフィールドには昆虫族が私を含めて5体。フィールドを埋め尽くしている。ああ、なんて神々しい。
そして、敵決闘者のフィールドにはモンスターが2体。しかも両方とも、能力は高くないようだ。
ふっふっふ…捻り潰して差し上げますわよおおぉぉぉぉ!
マスターの行動宣言が響き渡る。
『「ゴキボール」を生贄に捧げ……「インセクト女王」の攻撃!』
え!? ちょっと待って……ゴキボール!? いくら何でもそれはないんじゃ……。ウチのマスターは随分変わっているようね。
まあ、私が戦ってる時点で充分変わってるか……カブいたデッキが好きとはいえ、ここまですることはないでしょうに。
心の中で苦笑しながら、私は敵のモンスターを攻撃。破壊した。
そして、モンスターを破壊したと言うことは、ターンの終わりに私の子供が生まれる。可愛い子供が。
どうかその子もマスターの采配で守ってやって下さい……。見た目とか嫌でしょうけど。
私はまた、苦笑した。